〜親子三代養鶏一筋〜 美しい里山景観を次世代につなぐ平飼いたまご

美山町で50年以上続く「外田養鶏場」。代表である外田 誠さんにお話しをうかがいました。

外田養鶏場のはじまり

農山村地域で林業や農業が生業として盛んだった時代から、日本で少しずつ「養鶏」が広まりつつあった約60年前、二代目である外田誠さんのお父さまが美山町で養鶏場を開いたことが外田養鶏場のはじまり。
その後代々養鶏一筋で、今も豊かな美山の自然のなか、採卵鶏の「もみじ」と肉用鶏の「京地どり」を養鶏されています。

養鶏のこだわり

「日常的に食べることができ、美味しくて安心なものを」をモットーに、養鶏場を営む外田さん。
ケージの中で鶏を飼う一般的な養鶏とは異なり、外田養鶏場では『平飼い』と呼ばれる放し飼いの養鶏法で鶏が育てられています。過去に一度ケージでの養鶏をしていた時期もあったものの、「鶏を健康に育てたい」という思いから、改めて平飼いを選んだそう。狭いケージの中で過密に飼育するのではなく、放し飼いでのびのび育てることにより、鶏にとって自由でストレスのない環境をつくることを心がけられています。

また、『地域循環型』の養鶏法も外田さんの大きなこだわりの1つ。
高齢化や後継者不足などにより、日本各地で田んぼや畑の農地が放棄地になりつつある昨今の問題を受け、「地元の農地を守りたい」という強い思いから、外田養鶏場では美山町内の田んぼで鶏のエサとなる飼料米を自家製で栽培。そしてそんな飼料米を食べて育った鶏の鶏糞は、肥料として地域の農家さんに活用してもらうという、環境にやさしく地域に根ざした、持続可能な養鶏・農業を実践されています。

「鶏を飼うことが、農地や環境を守ることに繋がってほしい」と語る外田さん。美しい里山を次の世代につなげるための、故郷への思いがつまった外田養鶏場の平飼い卵と京地どりにはどんな特徴があるのでしょうか?

商品の特徴とおすすめの食べ方

平飼い卵「もみじたまご」

平飼いの養鶏法で鶏舎のなかを自由に歩き回り、のびのびと育った健康な鶏が産んだ卵。

一般的な卵と比べて黄身の色が濃く鮮やかで、濃厚な味わいが特徴です。素材を楽しめる卵かけごはんはもちろん、その色味ときめ細かな泡立ちからお菓子作りにもおすすめ◎

京地どり

「地どり」とは農林水産省の特定JAS規格によって定義された条件を満たした商品のみに許された名称で、飼育法や血統をすべて満たした地どりは日本に流通する鶏肉のうち、わずか1%程度。
外田養鶏場では、鶏の飼育日数を基準よりも長く、そして1平方メートルあたりの飼育羽数をより少なくして養鶏をされています。

厳選した配合飼料をエサとして与え、健やかな環境下でじっくり育てられた京地どりは、スーパーで販売されている一般的な鶏肉と比べ、筋肉質で歯ごたえがあるのが特徴です。
地元美山の料理旅館や飲食店が口をそろえておすすめする食べ方はすき焼き。1つのパックにさまざまな部位が入っていますので、それぞれの食感や味わいを楽しめるのもおすすめのポイントです。

メッセージ

「できるだけ日本の食品を選んで食べてほしい」と語る外田さん。
海外からの安価な食品の輸入やインターネットショッピングの普及などにより、外国産の食品を口にすることが当たり前となったこの時代。
「日本で得られないものを海外から補うことは必要だけれど、本来はそれぞれの地域、それぞれの国で衣食住を完結できるのが理想ですよね。自分の地域で栽培・飼育された食品を『高いから』という経済的観点のみで選ばないのではなく、地域の、そして日本の将来を見据えた食の選択をしてもらえたら嬉しい。ひとりひとりの選択が日本の自給率の向上に繋がり、次の世代へ引き継ぐことができると考えています」。