美山のお米に込められた生産者の思いとは?
今もかやぶき民家が多く残り、日本の原風景が広がる南丹市美山町。町域面積の96%が山林という自然豊かな里山です。空気は澄み渡り、一級河川の由良川が町の東西に流れます。この美しい景観と美山の農家さんが生み出す「美し米(うましまい)」は美山町の各地の農家さんが愛情を込めて育てたお米が美山ふるさと株式会社という会社で商品化されています。お米の美味しさのひみつはどこにあるのでしょうか?今回は農家の方と美山ふるさと株式会社の方にお話しを伺いました!
今回、お話しをお伺いしたのは道の駅美山ふれあい広場の近くでお米を育てる坂本さん(左)と平井さん(右)。お二人とも長年この地域でお米を育ててこられました。
「都会におる子どもにお米送ったらな、やっぱり美山のお米が1番美味しいて言うてくれるんや。」と嬉しげな様子で語ってくれた坂本さん。しかし、毎日の食卓にご飯が並ぶまでには様々な苦労があるのだそう。草刈りや水の管理などを怠ってはならず、都会の人が休暇を過ごす、5月のゴールデンウィークに田植えをし、残暑が厳しい9月のはじめに収穫し、乾燥、脱穀してようやく商品になるとのこと。
「肥料はな、牛糞を混ぜて、薬は減らして育ててるんやで。」と平井さん。美山町のブランド食品である「美山牛乳」の乳牛を育てる弓立牧場の牛糞堆肥を散布して育てることが、美し米の条件で、循環型農業を実践されています。美山牛乳とお米がつながるとは驚きですね!
おすすめの食べ方をお二人に伺うと、「薪で炊飯するのが1番えぇけど、火力の大きいガスで炊くと冷めても美味しい」とのこと。おやすみの日に少し時間をかけて土鍋とガス火を使って美味しいごはんを味わうのも贅沢な時間かもしれませんね。コロナ禍でブームのキャンプにお出かけするときにお米を薪で炊いてみるの良さそうです。
お米を取り扱う美山ふるさと株式会社のスタッフによると、美し米はきれいな水と冷涼な気候、豊かな自然の中で育ったおいしいお米で、美山町は日中と日暮の寒暖差が激しく、その温度差がお米を美味しくするため、お米を育てるには最適の環境なのだそう。
お客様に美味しいお米を届けるためにお米の収穫は年に1度。できる限り新鮮なお米をお届けできるよう、お米専用の保冷庫で玄米の状態で保管されています。お米は精米すると酸化して、味が落ちてしまうため、「美し米」は週に2回精米を行い、精米したてのお米を皆さんにお届けしているとのこと。毎日のお米にこれほど様々な方の思いが詰まっていると知ると、「いただきます」の言葉に心からの感謝の気持ちが込められますね。